「臨3311に乗れ」

イメージ 1



おつかれさまです。
ひさびさの城山三郎先生の本。

まー、ちっとけったいなタイトルの本ですが、旅行業界にについての本です。

いまの近畿日本ツーリストのもととなった会社の1つである日本ツーリストの馬場さんという方の一代記です。

臨3311というのは、日本ツーリストが国鉄にむりやりお願いして設定した修学旅行用の臨時列車で、この小説は、採用面接に来た若者を、その晩のその列車に添乗員として即乗務させることからはじまります・・・。

戦後の焼け野原のなか、それこそ、上野駅に営業所があるといっても物置みたいなところから旅行会社を作り上げたという本です。

この本を読んではじめてしったのは、近畿日本ツーリストというのは仏教にも深い関係があるそうです。1960年に親鸞聖人700回大遠忌という行事がありました。当時、近畿日本ツーリストの専務であった馬場さんは、数年前にその情報を知り、他の宗派の檀家だったそうですが、わざわざ浄土真宗本願寺派に改宗し、いろいろ営業活動をやって本願寺派の信頼を得たそうです。まー、大遠忌というのは50年に一回しかやらんわけですから、全国各地から篤信の門信徒さんが本山たる西本願寺に参拝されるのですが、そのツアーの大きな部分を受注されたそうです。
結果的に近畿日本ツーリストさんが扱った団体参拝客は24万2600人という莫大な額に上ったそうです・・・・。まー、仏教を金もうけの道具にしたと批判をする人があるのかもしれませんが、ちゃんと、参拝者の役にたったうえで、適正利潤を得ているわけですから商人としては立派なことだと思います。

おりしもことしは750回の大遠忌です。

この本にも出てくるのですが、京都に参拝するのですから当然地方のお年寄りが多く、迷子になったりして結構受け入れが大変だったそうです。旅館さんや旅行会社さんの御苦労にも感謝をしつつ今日はもう寝ます。