伊藤清先生「確率論と私」

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ということで、ひさびさ数学ネタ。伊藤先生という方は、1915年生まれ、確率微分方程式という分野で有名な先生です。まー、私の卑俗な理解では、いにしえ、化学の時間にならったチンダル現象とかそういったランダムな現象を解析することができるようになったのは先生の業績に負うところが多いようです(あんまり詳しいことはわからないので、私の不正確な理解かも知れません・・・)。

で、先生の業績をいかして、例のオプションの値付けのブラックショールズ方程式というのがあるので、金融工学をやっている人の間でも有名な先生です。

私は、伊藤先生も金融工学に造詣のある先生だと思っていましたが、そうではなく、この本を読むと普通預金以外に投資には縁もない先生だったそうです。

先生がこの本で、数学科を卒業した数学者の卵が金融の世界にいってしまうことを嘆いて「「経済」の一部である「金融」から、更に派生したに過ぎない商品や、そのディーラーの名のもとに行われる戦争を一刻も早く終わらせて、有為の若者たちを故郷の数学教室に帰していただきたいと思うのは妄想でしょうか」とお書きになっています・・・。

私の会社の社長も数学科出身なのですが、ずっとお金の世界でいきているように、結構そういう人も多いようです・・・。

先生は2008年にお亡くなりになってしまったそうです。ちょうどお亡くなりになるころのリーマンショックについてはどうお考えだったのでしょうか・・・。
ご冥福を祈りつつ今日はもう寝ます。