「古都がはぐくむ現代数学」

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ひさびさの数学関係。
「古都がはぐくむ現代数学」という本であります。

京都大学さんに数理解析研究所という附置研究所があってその研究所につどう数学者の群像劇のような本です。伊藤清先生とかも出てくるので読んでみました。

まー、結構、数学についても説明も多いのですが、読んでみて感動すべき発見が2つ。

東洋紡さんの社長だった谷口豊三郎さんというかたがいて、三高の同窓ということで、岡潔先生とかの数学者の先生と親交があり、谷口財団というのをつくり、数学の研究を援助していたそうです。
どうしても財界人というと利益優先で、実用的な工学に援助するという例はよく聞きますが、数学というすぐには、(ひょっとしたら永遠に)金にならない分野を助成するという立派なことであります。まー、あたくしは自分で研究するのは無理なので、がんばって金を稼いでそういった支援がちょっとでもできるようになりたいと思うしだいです。

もういっこは超関数で有名な佐藤幹夫先生のことば。
「朝起きた時に、きょうも一日数学をやるぞと思っているようでは、とてもものにならない。数学を考えながら、いつのまにか眠り、朝、目が覚めたときは既に数学の世界に入っていなければならない。どの位、数学に浸っているかが、勝負の分かれ目だ。数学は自分の命を削ってやるようなものなのだ」
佐藤先生のような一種の天才でも、こうなのだから、別に数学者ではないけど私のような愚者は、もっと勉強しないといけない。朝ぼんやりとおきている自分が恥ずかしいと思いつつ今日はもうねます。