『難問題の系統とその解き方 数学Ⅰ』
最近、甘口の参考書が多いとお嘆きの貴兄に送るなつかしの参考書シリーズ
教育社さんから出ている難問題の系統とその解き方シリーズ
いまでも、物理は出ていると思いますが、その昔は数学もでていました
まー、この教育社さんという版元は結構いろいろあって、確かオーナーが組合つぶしをず
っとやっていて、労働組合は、結構戦闘的な組合でがんばっていた組合だった記憶があります。
この本は、要するに数学Ⅰの難しい問題をいろいろ掲載している本です
この本のはしがきを読むと、筆者のかたの数学に対する愛とリスペクトがひしひしと伝わってきます。
「高校数学は、19世紀半ば(ガウス)までに確立した数学について、その基礎を学んでいると言ってもいいでしょう。著者が高校生だったとき、明治初期の学生の使った数学の教科書の中に、ちょうど著者が勉強していたものと同じ問題をいくつも見つけて感動したことがあります。恐らく、これから100年後の高校生も同じ問題で練習するにちがいありません。(中略)要するに、時代や国が変わっても、高校数学の範囲はそれほど変わるものではないのです。」
最近の甘口の参考書は、「最近の傾向」とか「受験に役立つ手法」とかを前面に打ち出しているものがおおいそうです。この本は1986年に1刷が出ていますが、こういった本質的な参考書で勉強できたことを感謝しつつ今日はもう寝ます
【追伸】狭山事件で、筆跡鑑定をされた人で大塩達一郎先生という人がいますが、この本の著者と同一人物でしょうか。たぶんそうなのでしょう。だとすると、立派な先生だったのだと思います。