「形の発見」内田義彦先生

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たまたま古本屋さんで発見した一冊・・・。
内田先生のいろいろな文章や対談をまとめた本です。

教育学者の堀尾先生との対談が収録されています。
そのテーマが、「大学とはなにかー学問と教育を問い直す」という深いテーマであります。

内田先生が紹介されているエピソードとしてある教育学者から内田先生がお聞きになったはなしが紹介されています。余命いくばくもない進行性筋ジストロフィーの患者さんがいたそうです。その患者さんは、近く死ぬからその間勉強したい。人間として生きる本質的な行為として勉強したいという希望をその教育学者につたえたそうです。その教育学者はそこで自分の教育に関する無力さに気付き、たいへんつらく、困ってしまったそうです・・・。

そのようなエピソードを紹介しつつ、内田先生は対談のなかで、生とか死という問題をも学問・教育の不可分の問題として考えたいと述べておられます。たしかに、生きるということと学問するということは不可分のものです。先生の学問に対する真摯な姿勢を立派だとおもうばかりです。

先生は最近の大学生活とか、サークルについても現状を危惧されています。肝に銘じなければならないことです。
「人間の全体を燃焼させ、人間を作りかえるような場所ではなくなっている。楽しませる場所ではあるけれども、人間を燃焼させるような、従って人間的自覚を起こさせるような、そういくサークルは減ってきたんじゃないでしょうか」

そのような傾向は今やますます強化されていると思います。とりあえず、楽しけりゃいいという今日の風潮を見て、先生はどう思われるでしょうか・・・。

その善悪はさておき、私の学生時代は燃焼と人間的自覚はたしかにあったと思います。それをあたえてくれた学友と先生方に感謝しつつ今日はもうねます。