「傷だらけの店長」

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涙なくしては読めない本といえましょう。

出版関係の業界紙である「新文化」さんに連載していました。

著者は、ある書店チェーンの店長(だった方)・・・


前半は、万引き犯ととっ捕まえた話とか、ノルマに追われる姿とか、今の書店さんのありようが描かれています・・・。
どうしても書店さんというと、版元としては、「売れなければ返本すればいいんだから気楽なもんだ」などとの思いがあるわけです。この本を読むと、その競争の熾烈さ、労働の過酷さがビビッドに伝わってきます・・・。

著者はむちゃくちゃ本が好きで書店さんに入ったようです。でも結局最後には、近くにより大きな本屋ができて、自店は閉店してしまいます・・・・・。

でもこの本の著者は、最後まで、取り次ぎからランキングに応じて、商品構成を見直せなどというアドバイスを無視し、自分の好みの本を残したり、こだわりの店づくりを作るわけです・・・。

ホントはこういった立派な人に書店さんをずっとやってほしいのですが、結局、店の閉店とともに書店業界自体から離れてしまったようです。

私は、信濃町の会社をやめてから10年、出版の世界から遠ざかっていますが(実は、L社も版元といえば版元なのですが・・・あんまりそういう意識はみんななかった)、出版界に未来について改めて思いを馳せつつ今日はもうねます。