「限界集落」曽根英二氏

イメージ 1

ということで、曽根さんという方は、山陽放送の記者さんだった方です。
山陽放送という放送局は岡山香川を視聴地域とする素晴らしい放送局であります。

この本は、それこそ岡山県の山奥の村とか、瀬戸内海の離島とかの限界集落について、いろいろ取材して書いてあります。

集落によってはなにか特産品を作るとか、都会の人に耕作地を提供するいわゆる「トラスト」みたいないことをはじめるとか、いろいろ工夫をしているようです。

まー、こういった山奥の村では若い衆はどうしても都会にでてしまうのです。わたしもそういった一員なので、村おこしで頑張っているお年寄りのことを思うと頭が下がると同時に、郷里を思い落涙を禁じえないのであります。

それに関連して、昨日テレビを見ていて、ひさしぶりに血が逆流したことがありました。
みんなの党といふ政党があるのです。で、東京地方区から参議院に松田氏というコーヒーチェーンを創業した実業家が立候補した当選したのです。

で、その松田氏という人は、渋谷とか新宿とか、繁華なところでのみ街頭演説をしていたそうです。テレビ局の人が、「なんで、渋谷とか新宿だけで選挙運動をやったのですか」と聞くと、この松田氏は「魚釣りといっしょで、魚が多いところで釣り糸をたらす」と答えたのです。まー、憲法上の権利者たる有権者を魚に例える時点で、人でなしといわざるをえません(経営者としては優秀なのかもしれません)。それにくわえ、「彼らは、都会のことだけを考えている」と感じたのです。確かにコーヒー店を出店するのであれば、渋谷の駅前に出すほうが、檜原村に出すよりは売り上げが多いのですから当然有利なわけです。しかし、政治というのはそういったマーケティングの理屈とは関係ないわけです。

どんなところであろうが、国民として最低限度の行政サービスは享受できなければなりません。
まー、松田氏のような考え方だと、「100人位の離島だと、別に選挙で影響ないから陳情があってもほっとこう」となるわけです。
そのような人間が国会議員になってはいかんと思いましたが、残念ながら、当選してしまいました・・・。

どの党の公約でも限界集落問題にちゃんと触れているのはないようです。票にならんと思っているのでしょうか。
人間を数字化した量でなくて、一人一人がかけがえのないものなんだということを理解している人に議員になってほしいと思った昨日でありました。