法務大臣

といふことで参院選後の話。

私は、神奈川県民なのです。当然、一国民の権利として、参院選の投票にも行きました。多くの国民も投票に行きました。その結果、神奈川選挙区から、出馬していた千葉法務大臣は落選をしたのであります。

まー、めずらしいこととは言え、現職の大臣が落選をしたわけです。通常であれば、大臣の職を辞するのが当然であります。

しかしながら、千葉大臣は辞職をせず、9月の民主党の代表選までは続けるそうです。

本当にそれでいいのでしょうか。

たしかに、日本国憲法では、大臣の過半数は国会議員の中から選ばれなければならないとあります。逆にいえば、半分未満であれば、国会議員でなくともよいわけです。

しかし、あたくしが問題にしたいのはそういった法律条文上の話ではなくて、政治家としての道義に関する問題です。

神奈川県民は、千葉大臣が参議院議員として不適であるという判断を下したわけです。もともと千葉大臣は参議院議員であるがゆえに法務大臣に任命されたわけです。その基礎を失ったわけですから、辞任するのが当然だと思うのです。だいたい職にとどまること自体が、神奈川県民の思いを無視するものです。

たしかに民間人が法務大臣に任命されたことはありました。最近では、民事訴訟法の三ケ月先生がさうでありました。三ケ月先生は、議員ではなかったので、先生の学識と識見にもとづいて任命されたのです。千葉大臣に三ケ月先生ほどの学識と公平無私な識見がない以上、民間人として法務大臣にとどまることはゆるされないというべきであります。

それに加えて、法務大臣たるものの地位を考えねばなりません。法務大臣というのは、自民党政権の末期においては、伴食大臣の典型のような扱いをされていましたが、本来的には、きわめて重要な仕事があるのです。

現在であれば、民事局関係では債権法の改正がすすんでいますし、他にも刑事局とか入管とか訟務だって法務省本省なわけです。外局には公安調査庁もあり、特別の組織として検察庁があり、特別の機関として、検事総長法務大臣の指揮を受けるわけです。

当然、いずれ辞めるような大臣が職務を全うできるわけはないわけです。危機管理上も問題なわけです。

日本国の危機管理上も一刻も早い辞任をしてほしいものです。