「糸川英夫の「人生に消しゴムはいらない」」

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ということで、めずらしく工学系の話。

日本の探査機はやぶさというのが、戻ってきたというのは、最近よく報道されていると思います。まー、宇宙開発にとっては画期的なことです。で、そのはやぶさというのが着陸したのが、小惑星イトカワ」。名前の由来がこの糸川英夫先生であります。

糸川英夫先生は、、1935年、東京帝国大学工学部航空学科をご卒業。そのあと、中島飛行機に入社されます。帝国陸軍の九七式戦闘機、一式戦闘機 隼、二式単座戦闘機 鍾馗などの設計に関わったそうです。1941年には東京帝国大学第二工学部助教授に就任。1948年、同教授、戦後は、第二工学部がなくなって生産技術研究所の教授になられます。

まー、ロケットについていろいろ業績があって、それで、小惑星の名前になったのだと思います。

で、この本は、結構先生の人生論的な話があるのですが、感銘を受けたのは、「使命」の話。先生が中島飛行機にいらしゃったとき、飛行機を設定するにあたって戦闘機のパイロットの人に、「なにが必要か」を聞きにいったそうです。パイロットは、「スピードは遅くともよい、敵機に遭遇したら、一触にしてこれを切る戦闘機がほしい」といったそうです。糸川先生はそれを深く分析し、軽快で運動性能にすぐれた戦闘機を設計されたそうです。

まー、先生はそこから、モノの使命と人間の使命が密接に関連するが、人の使命は自ら選びとれるということを展開されています。

技術者としては当たり前のことかもしれませんが、やはり、現場の問題は大事で、それを知ることから出発することが成功の秘訣だということを改めて認識した一冊でありました。