「人間の壁」

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ということで、最近、北海道あたりから出ていて教員組合を支持母体とした議員(本人は製パン会社出身)がいろいろ組合から違法に資金提供を受けたことが問題となって、ようやく辞めるということになったらしいです。

まー、組合も労働者が主人公の社会をつくるために政治活動をすることもあるだろうし、そのなかで選挙運動を行うこともあるでしょう。
しかし、貴重な組合員の組合費を流用してもよいんでしょうか・・・。

まー、教員組合というと思いだすのが、この石川達三さんの小説。

1950年代前半の佐賀県を舞台としています。

普通のノンポリの女性教員がある事件をきっかけに労働組合運動に目覚め活動家として自己形成していくのが中心的ストーリー。

一斉休暇闘争を闘うのですが違法な争議行為として最後は委員長や書記長はつかまってしまいます・・・・。

当時の教員組合は合理化に反対して子どもたちの教育環境を充実させるために闘うとか、もっというと、戦争を起こさないために平和活動を行うとかいろいろと大義名分があったわけです。

しかし、今の北海道の教員組合の幹部にそういった理念があるでしょうか・・・。

この小説で一番印象的なシーンは、最後のほうで、組合の事務所に家宅捜査が入ったときの話です。


警察は、ビルの掃除のおばさんに協力させて、家宅捜索に立ち会わせたりいろいろ手引きをさせようとするのですが、掃除のおばさん
は敢然それを拒否するわけです。

小説では、組合事務所に出入りする活動家たちの献身的な活動ぶりに掃除のおばさんまで感化されたということになっています。

いま、そういった組合幹部がどれくらいいるでしょうか・・・。
今回、捕まった北海道の組合幹部にぜひあらためて読んでほしい本であります。