「日本の殺人」河合幹雄先生

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ということで、河合先生という方は、法社会学の先生です。
立派な先生です・・・・。なんとなく、法社会学というと、「入会権」とか「温泉権」(あー、入りたい・・・)とか、おもに民法的な問題に対して、フィールドワークなどをしながら調査をするみたいなイメージがあったのです。
どちらかというと犯罪について分析するのは、刑事政策の先生だという認識があったのですが、そういった蒙をひらく一冊・・・。

まー、最近いろいろ殺人事件について議論があるようです。
厳罰化とか、時効の延長とか、いろいろなことが議論になっています・・・。

なんとなく、みんな殺人犯というと極悪非道なやつというイメージをもっていますが、いろいろな殺人事件について類型分けして、法社会学的な観点で分析をされています。

意外だったのは殺人の類型でいちばん多いのが、親の嬰児殺しだったということです。この本でも類型の一番最初に親の嬰児殺しをあげています・・・・。

公訴時効の延長について一概に反対ではないのですが、殺人についても同情の余地のある犯人もいるような気がします。

でも、同情の余地があるから20年で時効というわけにはいかないのが法律の世界なんでしょうか・・・・。

まー、厳罰化は無条件にいいんだと思っている人がいれば、その議論の前にぜひよんでいただきたい一冊であります。