「管理職のための人事・労務の法律」安西愈先生

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ということで、testpilot学兄にならい、わが郷土香川県出身の偉い人の事跡を紹介するということが大事だと思ったのです・・・。
しかし、すぐには思い出しませんでした。

かといって空海とか平賀源内というだれでもご存じのかたを上げるのはちょっと躊躇があるし、屋上屋を重ねるきがします・・・。


ということでいろいろ考えて思い出したのが安西先生

仕事をお願いしたことはありませんが、よく、経営者向けの労働法の本を書いている方として有名であります。よく、日経ビジネスとかで、弁護士ランキングみたいな企画で、労働法分野では最上位にくる先生です・・・。


最近知ったのですが、先生は、1938年に生まれ、名門、高松商業高校の出身です。まー、これは別途書きますが、水原監督や牧野ヘッドコーチを輩出した高校で巨人軍の歴史は高松商業抜きにはないわけです(ちなみに私は阪神ファン)。安西先生はそこから、公務員として、労基署に採用されるのです・・・。
労基署時代は、大内労働基準監督署香川県の東のほうにある・・・)に労働基準監督官として勤めてたそうですので、手袋工場とかに立ち入り検査をされたのかもしれません。あんまり労災事故はなかったかもしれませんが、やっぱり、その当時は、長時間勤務とか女工哀史的なこともあったかもしれません・・・・。

まー、安西先生は向学の念やみがたく、中央大学の通信教育で法学を勉強されるのです。勤務の傍ら勉強をされるのは大変だったでしょう・・・・。
通信教育って多くの場合挫折してしまうことが多いのですが、先生はそれをやりぬき、公務員上級職の試験に合格し、労働省本省に異動(というか新規採用あつかいなのかもしれませんが・・・)、しばらくして司法試験にも合格するのです。大変立派なことです。その労苦を思うと涙を禁じえません・・・。

先生は、経営法曹会議という、簡単にいうと旧日経連側の弁護士の団体の有力なメンバーです。経営法曹というと、昔のわたしみたいな労働組合活動家からすると、争議になると反対側に出てくる資本の手先みたいな集まりなのです。むかしは、第一芙蓉という事務所に例の三井三池や光文社争議で活躍(もちろん、反組合で)された竹内桃太郎先生という大物が経営法曹にはいて(いまでもご存命だとは思う)、経営側も結構、どんぱち的な人もいたわけです。まー、その手のどんぱち系の人は、ほとんど白を黒と言いくるめても会社側を勝たそうという人なのです。
しかし、そういった人に比して、安西先生の本を読むと、労働基準監督官をされていただけあって、「会社側も法律を守るところは守らんとあかん」みたいな前提で本をお書きになっているようです。やっぱり、お互い法律は守らねばなりません。
会社側もむちゃくちゃしたらあかんのとおなじく、組合側も刑事免責、民事免責を得ることのできる限度でがんばらんといかんのです。まー、おたがい法律の限度を超えた暴力はいけません・・・(多少の反省をしているミラーであります)。

ということで、仕事の中にも日々勉学をわすれてはいかんという大学通信魂の見本のような先生であります。