「恐慌論」宇野弘蔵先生

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ということで、今日は、血圧をはかるために病院にいったのであります。

病院の帰りにお茶の水丸善さんによりました。ひさかたぶりです・・・・。

まー、ひとまわり売り場をまわったのですが、文庫の棚で大事な本を発見・・・。

宇野弘蔵先生の「恐慌論」です。

宇野先生の本はいろいろでていますが、いままで岩波文庫になったのは(翻訳をのぞいて)承知をしておりませんでした。

奥付をみると、2010年2月16日に文庫化されています。

「恐慌論」自体は昔から岩波からでていて、学生じだいちっと勉強した記憶はありましたが、再度勉強しようと思い買ってしまいました。

翻って経済本の棚をみれは「リーマンショックで大不況だ」みたいな本が大量に出版されています。

多くは、今日における金融資本の強欲さを非難したり、いたずらに経済危機をあおったりするという、まー、およそ、経済学とは無縁の本なわけです。

でも出版社としてはそういった本がてっとり早く出せて売れるので、そういった本が仰山でてしまうわけです。
今日の本屋の経済書の棚の現状こそが、恐慌の原因である資本主義の根本的腐敗ぶりをあらわしていて興味深いものがあるともいえます。


まー、そこで、岩波書店としてもいろいろ考えたと思うのです。
当然、社会科学に定評のある岩波さんもなんか、恐慌についての本をだそうとしたはずです。まー、ちゃんとした学者の本を出すということも考えたし、実行されているでしょうが、そこで、「宇野弘蔵先生の本を出そう」と思ったことに見識を感じるものです・・・。

宇野先生の恐慌論が最初にでたのは1953年・・・。
今日の恐慌においてさえ、その分析は力を失っていないという、経済学の力を信じていないとできなことです。立派なことです。

なぜ、マルクス経済学、ときに宇野学派の陣営から今回の恐慌についての分析がすくないのかと常々おもっていましたが、思えば、この本があればよいのかもしれません。

ちなみに解説を書いているのが伊藤誠先生であります。
まー、宇野先生の本の解説を書くと同時に、伊藤先生自身の今回の恐慌に関する分析を読みたいとも思いますが・・・・。あんまり目にすることがないのが残念です(伊藤先生の名誉のためにいっておきますが、某●●主義協会の機関誌にリーマンショックについて書かれているのは承知していますが、もっと世間一般向けのものを書いてほしいと希望しています)。

まー、でも感じとしては、日本シリーズがあって、解説を誰かに頼むとして普通であれば、星野仙一さんとかに頼むのでしょうが、突然、川上哲治さんとかが出てきた感じ・・・・。

まー、それはそれでよいのですが・・・・。
もし、現役の宇野先生の後継者が宇野先生の理論を超えることができなくて、こうなっているのであればちっと悲しいことであります。