「同和と銀行」

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刺激的なタイトルの本です。
2007年に三菱東京UFJ銀行に対して一部業務停止命令が出たのです。理由は、
淡路支店の取引先課長が業務上横領の幇助で逮捕されるなど、ある取引先との不適切
な取引があったらからです。
その取引先は財団法人さんなのですが、そこの理事長は、某人権運動団体の支部長を
している人だったのです(以下K氏という)。

直接の容疑は、市の外郭団体から受託している駐車場運営の収益を横領していたとの
容疑なのです。横領額は6億円だそうです・・・。

この本では、なぜ、銀行(旧三和)がそういう取引先に取り込まれていくのかが、その
逮捕された理事長と親しかった三和の元支店長(以下O氏という)へのインタビュー
をとおして描きだしているのです。

K氏自体ももともと菱形の代紋を背負っていた方のようです。そういった方と銀行が
取引することがはばかられるのは当然ですが、それにもましてとんでもないことに、
K氏を通して、現役の菱形の組長さんにも融資がされていたようです。しかも、菱形
の組長さんに貸金庫を貸していて、そこから所持を許されていない武器が見つかった

り・・・。銀行って、広く預金者からお金を預かっているんだから、それはあかんや
ろと思います。

まー、世間では、銀行が悪いというより、某人権運動団体を批判する見解が多いよう
です。とくにネットでは・・・。まー、それはたしかにそうですが、銀行の責任も大
きいわけです。そもそもそういったところと取引をするべきではないし、たとえ、し
たとしても銀行のルールで「それはできない」ということをはっきり主張すべきなの
です。まー、そりゃー、「断ったらなにされるかわからん」という恐怖はあるでしょ
うが、それがいやだったら銀行をやめるしかありません。

このK氏という方は懲役6年の判決をもらい、控訴している途中に、2007年12
月に死去されたそうです。

まー、銀行や行政に対しては、ほとんど脅迫としかいいようのない言動をされていた
そうですが、地域のご老人を旅行につれていったいたわるなど善行も積まれているわ
けです。ご冥福をお祈りします。

また、銀行がその社会的責任を果たすことを切に希望する次第です。この本に出てくる
銀行OBのO氏の話を読むと、こういった事件は氷山の一角で実は、いっぱいあるんじゃ
ないかと思います。

ぜひ、そういったのがあれば、表にだしてほしいものです。