安藤達朗先生「大学への日本史」

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ということで、古き良き時代の参考書シリーズ。
駿台予備学校の安藤先生の本です。

わたくしは、直接講義を受ける栄に浴することはありませんでしたが、この本は学生時代に読んだ記憶があります。

多くの日本史の参考書は最初に書いてあることは、岩宿がどうとか登呂遺跡がどうとかいうことでありましょう。それはそれとして別段間違いとはいえませんが、この参考書の素晴らしいことは、最初に歴史とはなにかということが書いてあるのです。

いま読んでも勉強になります。E.H.カーの価値の歴史的被制約性に関する説明などは、たいへん素晴らしい説明であります。

しかも、構成上、資料演習は巻末にまとめ、実証的な勉強についても役にたつものであります・・・・。

残念なのは、安藤先生が2002年にお亡くなりになったことです。
たしかに僕らのころ=団塊ジュニア≒第二次ベビーブーム世代は大学入試なんかが大変だったのです。しかし、こういった学問的な参考書で勉強できて幸せだったと思うのであります。