「自己啓発セミナー」

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ということで、10年くらいはずいぶんはやっていた自己啓発セミナーも最近は下火です。
この本も10年くらいまえの本です。
昔は、「本当の自分の発見」とかいって高額なセミナー料をとってグループダイナミクス的なことをやって金をとるセミナーが多かったのです。
この本では、そういったセミナーの実情を調べて(おどろくべきことに、筆者はそういったセミナーに潜入しています。まちがって洗脳されたらどうするんでしょうか・・・。)

まー、こういったセミナーっていうのは要するに洗脳して金と労力をむしるとるというのが常道なのです。
この本によると「隔離、雰囲気、反復、精神管理、食事管理、睡眠管理」がパターンのようです。宗教といっしょです。

だいたいこういうセミナーって「自分の考え方を変えれば、すべてがよくなる」的な主観主義なわけです。ようするに「うまくいかないのは自分のせいだから自分を変えよう」みたいなメッセージを送るわけです。

たしかに、そういった側面は否定できないでしょうが、自分ではどうしようもないこともあるはずです。

こういった自己啓発セミナー的なものは結局は健全な批判精神を奪うものではないでしょうか。

本当は、経済的、物質的な問題を心の問題にすりかえてしまうのは、ヘーゲル法哲学批判序説にあるとおり、権力と結びついた宗教のやり方なわけです。

学校教育でも心のノートとかそういったものがありますが、そんなことをやる予算があるのであれば、ちっとでも教育の質を向上させたほうがいいのではないでしょうか。