藤木英雄先生「刑法各論」

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ということで、最近、体がだるいので、ノンアルコールビールなどを飲んでしまっているミラーであります。
ひさびさの立派なT大教官シリーズ。

刑法の藤木英雄先生です。

先生は、1932年生まれ。団藤先生門下で、天才といわれた法学者だったのですが、1977年に45歳という若さでお亡くなりになってしまわれます。そっから、T大刑法は結果無価値に・・・・。

思えば、T大法学部の教授というと基本的にはかしこい人なのですが(一部の例外を除く)、天才とまでいわれているのは、藤木先生くらいではないでしょうか。

この本は、普通の刑法各論の教科書だとおもったら、さにあらずであります。
通常の刑法各論の教科書だと、窃盗罪とか、殺人罪という刑法典にでてくる犯罪類型ごとに説明があるのですが、この本では、当然そういった部分もありつつ、

「鉄道・船舶・航空機事故と過失」と「薬害事故・食品中毒事故」とか「公害罪法適用上の問題点」といった章もあり、現代における刑法学の課題を指し示している本として、今読んでも新しい感じがします。先生の学識とあくなき探究心の生んだ本で有りましょう。

私としてはもっと長生きをされて、ぜひ教えをうけたい先生でありました。
謹んで、冥福をお祈りするものであります。