ベッカリーア「犯罪と刑罰」

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実は、先週から風邪をひいていて、ブログを更新するほどの気力・体力がなかったのですが、今日かなり復活したので、更新します・・・・・。

今日、さる有名な事件で高裁で死刑の判決を受けた被告の上告を棄却する判決が最高裁でありました・・・・。厳密に言うと、被告側は判決訂正の申立て(刑事訴訟法418条)をするのでしょうから、死刑確定まではまだ日があるのですが、判決が訂正されることは、ほぼないでしょうから、今回の事件の容疑者が死刑になることはほぼ間違いないといってよいでしょう・・・(まー、理論上は、再審とか、執行の前に病死するとかいうのは否定できない。だから「ほぼ」としかいえない)。

実は、ミラーはもともと、死刑には反対でした(過去形)。
実は、考え方がかわったきっかけが本事件。

よく殺人事件の判決文を読むと「無慈悲、かつ残虐で戦慄を覚える犯行」みたいなフレーズが出てきますが、この光市の事件ほど、無慈悲で、残虐な事件はないと思います。
本心から戦慄を覚えます。

「この事件の被告が更生することは可能なのか」。そういわれると、わたしには、難しいのではないかと思われます。でも、私の心のなかでは、やはり、人間の理性を信じたい、この事件の被告も更生できる人間だと信じたいという心もあります・・・・。

正直、今回の上告棄却の判決がよかったのかどうか、今の私には明快にこたえることができません。

迷ったときは原点であります。そもそも刑罰とはなにかということを原点にさかのぼるために、この本を手にとりました。ベッカリーアはどうやら死刑については批判的のようです。別にその意見に賛同するや否やは別として、論点はかなりこの本に出つくしているような気がします。

死刑の問題については、あらためて原点に戻って考えてみたいと思っているミラーであります。

最後に。どんな判決が出されようが、犠牲になったかたの命が戻ってこないことだけは動かしようがありません。被害にあわれた2名の方に謹んで哀悼の意を表するものであります。