「ローマ法案内-現代の法律家のために」

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ということで、ひさびさローマ法ネタ・・・。

木庭顕先生は、現在、東大でローマ法を担当されている先生です。

立派な先生であります。

実は、私も学生時代講義を受けたわけです。
まー、実は、ローマ法を勉強しようという崇高な志があったわけではなくて、同じ時間にある日本政治外交史という講義にでようと思ったら席が満杯だったので出たという最初はごく即自的な心で出席していたわけです。

先生の講義で一番覚えているのは「占有」という概念について。

占有って民法にも刑法にも出てくる実定法上も極めてキーになる概念なのですが、なんとなく学生当時は深く考えずにいたのですが(実はいまでも・・・)、先生の講義では占有という概念について歴史的かつ理論的に説明がされたわけです。
当時は、法学というものの奥深さについて感銘を受けたのですが、たぶん理解できたいのは半分くらいだったでしょう(まー、半分でもおこがましいといえましょう・・・)。
 この本はローマ法を歴史として、骨董品として紹介するのではなくて、現代の法律家のために紹介をされています。

そういえば、最近読んだのですが、今日の我が国の債権法改正についても木庭先生は積極的に発言されています(木庭顕「債権法改正の基本方針」に対するロマニスト・リヴュー,速報版」 東京大学法科大学院ローレビュー第5巻195頁http://www.j.u-tokyo.ac.jp/sl-lr/05/papers/v05part10(koba).pdf )。
債権法改正の基本の方針について「まるで何もしらない学生のレジュメのようだ」とかいろいろ激しく批判をされています。

新聞で知ったのですが、今年、先生は学士院賞を受賞されたそうであります。先生のような地道に研究をされている基礎法学の先生が賞を受賞されるのはすばらしいことです。

今後とも我が国法学の発展のために御健康であられることを祈念しております。