「歎異抄講話」 小野清一郎先生。

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ということで、たまたまネット上の古本屋でみっけた本。

歎異抄というのは、親鸞聖人の弟子唯円房が聖人からお聞きになった話をまとめたものです・・・。

まー、ここまでは、いちおう真宗門徒であれば認識しておくべき事項です・・・。
いろいろと歎異抄の解説書は世間でもいくらでも出ています。

で、この本の変わったところは、作者の先生なのです。

小野先生は極めて有名な東大の先生です。

というと、一部には「やっぱり歎異抄の本をかくぐらいだから、印度哲学とか宗教学の先生か」と思われるかもしれませんが、「刑法」の先生です・・・(法学徒にとってはコモンセンス)。

平野龍一先生とか、団藤重光先生の師匠に当たられる偉大な先生です。

この本をみっけたとき、「なんで、小野先生が歎異抄なんだ・・同姓同名なのだろうか」とも思いましたが、そうでもないようです・・・。
小野先生は、刑法の傍ら真宗についても信仰されていたようです・・・・。

この増補版を先生が書かれたのは、昭和48年、先生82歳のときです。はしがきにお書きになっているのは、「もはやいくばくもない私の生命であるが、永遠の生命のなかに生きているという自覚をもつ。その生命に感謝しながら、その日、その日人間的いとなみのなかに明かし、暮らしている。きょうの一日は、永遠の一日である」

一応注釈しておくと、先生がおなくなりになられたのは、昭和61年・・・・。95歳のことです。団藤先生をはじめ刑法の先生が長生きなのにおどろくとともに、小野先生のような境地にいつになると、わたしのような愚者も到達できるのか、考えつつ今日はもう寝ます。