「苦役列車」西村賢太氏

おつかれさまです。今日は、計画停電はないので、電気はつくのですが、暖かいので外で本を読んでおります。

なんか、ラジオではときどき新しい余震がおこっていることが伝えられ、地面も揺れているようです・・・。

ということで、話題の本です。

先日芥川賞をとられました。

いま、週刊誌などで話題になっているのは、おもに西村氏のそれまでのおいたちとかそういったものが中心のようです。

作品を読んでからコメントしようと思っていて、図書館で借りてきました。
といっても、予約をして何カ月か借りるまで待つことが必要でした。まー、こういった純文書が多くの人に読まれるのはいいのですが・・・。ホントは版元や書店さんとしては買ってほしいことでしょう(おらも図書館で借りてきたんで人のことはいえないけど)

読んでみると、浮かれている世間に対してなじめず、孤独な内面をもった青年の姿がよく描かれている感じがします。
私小説なので、ある程度作者の実体験を基に書いているとおもうのですが、日雇い労働で生活する日々がつづられています。

まー、主人公は将来性もみえないしんどい労働のうさを酒と風俗などの刹那的な快楽ではらしているのです。

日給が5500円だったそうです。主人公は、その低賃金を自分の学歴のせいだと帰結してしまっているわけです。
私が思ったのは、本来であれば、肉体労働で働いている労働者が5500円で、それを使っている会社の正社員が相対的に高給というこの社会が逆転しているのではないでしょうか。たいへんリアルに描けているのでそこは共感できます。こういった本を読むことをきっかけに社会の矛盾について考える人が増えればよいなと思ったミラーでした。