「鉄学概論」

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ということでたまさかたまゆらの鉄道ネタ・・・・。

最近、あんまり電車に乗りに行く元気も時間もありません。悲しいことです。

で、最近読んだ本。

著者の原さんという方は、政治思想史の先生のようです・・・・。

たんなる鉄道のマニア的な本かと思いきや、鉄道を文化としてとらえようという姿勢のある本です。

まー、感銘を受けたのは、都電から地下鉄への移り変わりの影響・・・・。

何も考えないでおくと、ただ地上の電車が地下にいったと思ってしまうのですが、著者はするどい視点を提供しています。

著者がおっしゃるには、都電時代は、たとえば二重橋というと、電車から見えるあの美しい橋をみんなが思い描いたものだそうです。しかし、今、地下鉄の二重橋駅を通る人は、車窓から見えるのは黒い世界なので、二重橋を思い描けないわけです・・・・。

皇居の大きさとか、その威容といったものを実感できなくなっているのが地下鉄時代だということを説明されています・・・。確かにその通りです。わたしも思えば、二重橋駅は毎日通っていた時代がありますが、二重橋を見たのは、車で横をとおったときも含めてそんなに回数ががないような気がします・・・・。

東京という都市の成り立ちを知るうえでは必読の文献だと思った次第であります