「これでいいのか大学入試」

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ということで現在の入試制度について論じた本。
編者の浜林先生というかたは、一橋大学さんで英国近代史をやっていた先生。私が学生時代には歴史科学協議会の委員長(名称はそうだったか覚えてないが代表者)をされていました。立派な方です。

まー、当時から代々木系の先生だと思っていましたが、いま、wikipediaをみると、はっきり、●産党員と書いてあります・・・・。

この本は、いろいろ現行の入試制度について批判してある本。

大学入試の競争が激化するとゆっくりと高校で教育するひまがない。とか、大学全入化で私学の入学者確保も激化しており、なんでもかんでもいれいるところもあって、教育どころではない。とか、まー、いろいろと「そうだな」と思うことが書いてあります・・・。
大学生の声も紹介しています。
「試験前の教室とかで友達が『太宰治』『人間失格』『ピンポーン』ってやってたんだけど、それって何やってるのって感じ。『人間失格」だけが太宰じゃないし、みんな太宰を読んだこともないのにさ」「結局、大学入試の範囲をカバーすることが優先されると、自分で調べたり考えたりしてる余裕はないってことなんだろうけど・・・・」
といった意見が紹介されています。

まー、だいたいこの手の本では、詰め込み反対ということになってしまうのですが、私は詰め込みも必要だと思っているのです。まー、美術史なんかがよく槍玉に上ってしまうのですが、そんなん覚えてどうするの。入試が終わったら関係ないとかいわれるのですが、本来は、たとえば、日本史の授業で、平等院阿弥陀如来像をいうのをならったので、「あー。一度見に行って実物をみたい」と思ったことが私はあります。まー、そういった関心を刺激することが大切なのではないかと思いますが・・・。

まー、実際にはそうならないわけでしょうから、大変なのはわかりますが。もうちっと、入試問題については、改善が必要だというのはこの本に賛成のミラーであります。