「日本の朝鮮侵略と法制史」

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我が国では総理大臣が日韓併合についての談話を発表したり、官房長官が、「日韓条約のときは韓国は軍事政権だった」(から、条約締結に国民の意思はあんまり反映してないんだという意味か?)みたいなことをいっていろいろと問題になっとります。

んで、図書館で、「朝鮮」「歴史」みたいなキーワードでいろいろと検索をしていると発見してしまった本。

著者の金圭昇先生というかたは、1939年に渡日、1950年に京都大学法学部を卒業し、大学院で刑法を研究されたそうです。

在日民主法律家協会会長という肩書ですが、、朝大とかで法律を教えられていた方だと思います。

で、この本ですが、気合の入りまくった本であります。

1991年にでた本なのですが「朝・日国交正常化交渉に臨んだ日本当局の不当、理不尽な発言や態度に義憤を覚えて自らの不足も顧みず、日本が過去において朝鮮人民に犯した歴史的事実の一部を整理したものである」。

まー、当時は、自民党は金丸さん、社会党は田辺さんとかの時代です。

まー、この手の本はともすると、「日帝=極悪非道」みたいなことがずっと書いてあるのですが、日本の支配を支えた法律・制度について説明をしてあるということが、この本のメリットです。

ただ、「ファッショ法令の乱発と弾圧の強化」とか「経済収奪のための法令と朝鮮人民の闘争」とか、人民闘争史観的なシェーマから説明されているという特徴はありますが・・・。

植民地支配が35年も続いたからには、単に弾圧したとか、暴力だけではなく、もっと日本の支配には巧妙に支配を維持するメカニズムがあったのではないかと推測しているミラーです・・・。それがなんだったのかはわかりませんが・・・・。

なににせよ、植民地時代の歴史については、善悪の彼岸にある研究がもうちっと必要ではないかと思っているミラーです。(でも私が不勉強なだけでちゃんとやっている人はいると思う。)