「ときの流れを超えて」

イメージ 1

ということで、立派なT大教官シリーズ。民法編。

いわずとしれた星野英一先生。何年か前にだされた自伝的な本であります。

内田教授と大村教授がインタビュー役をつとめられています。

全般的には、先生のおいたちからはじまって、学生時代のはなしや、フランス留学時代、助教授、教授時代、そして退官後の千葉大学さんや放送大学さんでの活動まで触れられています。

まー、全般的には人物についての評価がわりとはっきり出ている本だなという印象が・・・・。

ひとつ昔から思っていた長年からのなぞがこの本を読んで一つ判明。

先生は民法の教科書を良書普及会さんという版元から出されているのですが、まー、そんなに大きなところでもなく、自治体職員向けの本を結構だされている版元でなぜ、そこから出したのか不思議におもっていたのです。

星野先生が自治大学校で講義をされたことがあるそうです。行政法田中二郎先生に頼まれたそうです。

で、先生が自治大学校で講義をしたのを良書普及会がテープを起こして、同社で発行していたい「月刊自治実務セミナー」という地方公務員さん向けの雑誌に連載をしたそうなのです。

当然、某Y閣はそれに目をつけ、「その連載をまとめてY閣から本にださないか」とはなしを持ちかけたそうです。
先生は、いろいろ良書普及会にも面倒をかけているので、その手前もあって、Y閣には断り、良書普及会から出されたそうです。先生の義理堅さがうかがえるエピソードです。

ここでおわれば「ちょっと良い話」なのですが、良書普及会で出したら誤植が多く、あんまり出来がよくなかったそうです。

まー、私もこの本を読んで「そういえば良書普及会ってどうなったろう」と思って調べたら、2003年に解散してしまったそうです・・・・。

なにはともあれ、日本の民法学のさらなる発展のために星野先生にはいつまでもお元気であってほしいものであります。