「死へのイデオロギー 日本赤軍派」

イメージ 1

ということで、久々の極左ねた・・・・。

著者のスタインホフさんというかたはアメリカの社会学者のかたです。

赤軍派に焦点をあてています。

前半は26人が亡くなった無差別乱射事件であるテルアビブ空港乱射事件を起こした岡本公三氏についてインタビューの記録があります。

普通に考えるとそういった人は「ちょっと頭がおかしい」と思ってしまうのですが、このスタインホフさんの偉いところはそういった切り捨てをせずに、インタビューをして彼の内面を理解しようとしたことです。

また、後半は連合赤軍について触れています。

12名もの人命が失われた山岳ベース事件が1971年から72年にかけてあったのです。その事件については、当時の指導者=悪魔的な視点から語られることも世間ではあったり、当時の指導者のパーソナリティーにすべてを帰着させる見解もあるのですが、このスタインホフさんは、それにとどまらず、当時の集団としての連合赤軍について分析をしています。

まー、前提として、日本人の集団への帰属意識の強さということが強調されるので、それについては今日と当時では意識が違うのかもしれませんが、たんなる倫理的な断罪におわっていないところに、スタインホフさんの学者的良心と分析の視角のすばらしさを感じるしだいです。

まー、こういった事件が二度とないことを祈りつつ今日はもう寝ます。