原田慶吉先生「ローマ法」

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まー、この前、鳩山秀夫先生について書いたので、今日はもうちっと基礎法学の方の本を紹介します。

原田先生というかたはその筋では有名なかたで、ローマ法専攻の先生。記録によると昭和14年に法学部教授に就任されています。この方の先生に当たられるのが、春木一郎先生でありまして、前任者の「7博士意見書」で有名な戸水教授が確か政治家になるので止められたので、京都から来られた先生です。春木先生より前は、ローマ法講座というのは、別にローマ法専門というわけでなく、他の実定法を教えている先生が担当していたこともあるようで春木先生がローマ法プロパーとしては初代で、それを受け継ぎ花開かせたのがこの原田先生です。

日本の民法を勉強しているとローマ法由来の制度というのが結構あるようです。流質契約が禁止されているのはローマ法由来だと昔授業でならいました・・・・。自分もあらためてローマ法も勉強しようと思い最近買ったのです・・・。

まー、原田先生というのは、大変学問に厳しい人でただ単に学者の研究を消化するだけでなく、原典を実証的に研究するために楔形文字の研究までしていたようです。頭がさがります。学問とはかくありたいのです。

昔、現在でもローマ法を担当されている木庭教授の授業で「原田先生という方は学問的に立派だったけど、若くして自ら命を絶たれ、それが惜しまれる」みたいな話を聞いたことがあります。あらためて年譜を見ると47歳でおなくなりになられています。
学生時代その話を聞いたときは、「ローマ法のような学問をやるとあまり物質的な幸せを得られんのだろうな」と思ったことがあります。自殺の原因は税務署とのトラブルとか生活苦とかいろいろ原因があるようなのですが、学問だけを考えている人だったのでしょうから、戦後すぐは苦労されたのだと思います。まー、今日でもローマ法の入門書というと先生の本なのです。偉大な業績に思いを馳せ、ご冥福をお祈りする次第です。