ある議員の行い

ということで先日来、先般の選挙において北陸地方小選挙区から出馬し、比例で復活当選したある議員のいままでの職業に関することが話題になっているのである。どうやら、いたずらに性的興奮を刺激する映画に出演したり、もっぱら、性的興味に訴えかける雑誌の記事を執筆していたようである。マスコミではこういったことがもっぱらセンセーショナルに報じられているのである。確かに、我が国の健全な性的道義観念に対して多少逸脱しているような気がする。そういった人が議員になることは多少不安を感じる。
しかし、それ以外にこのTなる議員には大きな悪行を行っているのである。
いわゆる「ピラミッド登頂事件」である。学生時代に、夜陰にまぎれてピラミッドに登り、エジプト現地官憲に身柄を拘束されたという事件である。どうやら、マスコミ的には「若気の至り」的扱いで、「観光地の落書きと一緒」的扱いである。
しかし、はたして本当にそう考えてよいのか。

ピラミッドというのは、要するにエジプトの王様のお墓なのである。我が国でいうと、仁徳天皇陵とかそういった古墳や日光東照宮にあたるような施設なのである。単なる観光名所ではない。
たとえば、仁徳天皇陵にわけのわからん外国人がやってきて、土足で踏み入り面白半分に遊んでいればどう思うだろうか・・・。
我が国の文化と歴史が否定されたように感じるのではないだろうか。

そういった話を持ち出すと、いつから右翼になったのだと批判されるので、たとえば、レーニン廟にいってふざけて石を投げている外国人がいるととロシア共産党の人はどう思うであろうか。

みずからの国の偉大な先達を敬うのは人間として当然の心情であり、別に右翼も左翼もないものであると私は思うのである。別に、それは墓というものを物神崇拝しているわけではない。偉大な先達の偉業に思いをはせ、敬虔な気持ちになるのが、人としての道である。

たとえば、わたくしが、エジプトのピラミッドにいくとすると、こういった大きいものを立てたエジプト文明というものに敬意を払い、また、これに使役された人民の労苦に思いをはせるであろう。それが当然である。人の道である

どうやら、このTなる議員にはそういった人としての道は通じないようである。「面白半分にお墓で遊ぶ」というまったく極悪非道な行いである。
我が国の刑法では、礼拝所不敬罪にもあたる大罪である。法律上は、「神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処せられる」とあるが、まったく万死にあたいする極悪非道な所業といわざるを得ない。

こう書くと「自分は別に墓なんて関係ない」と思う人がいるかもしれない。たとえば、自分の先祖の墓に子供がうきゃうきゃと登って遊んだりしていても、別に何とも思わんといういう人もいるかもしれない。しかし、親、祖父母を含めて自分の尊属を敬うというのは、人として当然のことである。その心情が墓を祀るということである。
 戦前は、天皇制国家に対する「忠」と、尊属に関する「孝」が一緒に忠孝として論じられたので、戦後、忠孝両方とも、封建的イデオロギーとして軽視されてきたのである。たしかに「忠」のほうは、人工的に作られた国家支配者にとって都合のよいものであるが、「孝」のほうは人類普遍の原理であると思う。私の考えでは、「孝」という考え方を軽視しているからこそ今のように、親殺しが日常茶飯事になっているのである。

このような人が議員では、「別に先祖など敬わなくてよい」という考えが広まるし、「別に海外の文化遺産なんて、粗末に扱ってもよい」という人が増え、国際的にも問題である。まー、エジプトに対しても日本国民としてこういった人を議員にしているのは申し訳ない。よく幾何学ナイル川の氾濫でぐちゃぐちゃになった土地を測量するところから発展したといわれるが、そういった現在の科学の発展にも大きく寄与しているエジプト文明を愚弄している者が議員になっているわけでありエジプトの数学者に対しても申し訳ない気持ちになる。

野党になってしまう自民党もこの問題をちゃんと追及してほしい。以前、鳩山総務大臣は、檜町公園において裸になって逮捕されたスマップ草なぎメンバーについて「最低の人間」と言い放った。草なぎメンバーが最低の人間なのであれば(別に私は草なぎメンバーの行為は迷惑だがそこまでいわれる筋合いはないと思う)、かような極悪な所業に手を染め、それを隠しているこのTなる議員は、それ以下ではないだろうか。議員である前に、人間としての資質を問いたいものである。