日の丸・・・。

ということで、先日、民主党のある支部の演説会で、日の丸を切り張りして民主党のマークをつくったという事件があったのです。
まー、どうも民主党のほうも、「それはまずかった、厳重注意して反省している」みたいな対応なのです。

それでよいんでしょうか・・・。

日の丸というのを神聖不可侵のものとすればそういった反応がしかるべきですが、ただの、布に記された模様なわけです。公然と切り裂けばそれは、国家に対する挑戦という意味を持つかもしれませんが(別に私はそれも断固支持ですが、それはおいといて)、陰で切ったり張ったりすることがそんなに問題なのでしょうか・・・・。

さいきん、昔読んだ小説を読み返すということをやっています。わたしが、いままでの人生で読んだ小説のなかで10指に入る小説として、「暗い波濤」という阿川弘之氏の小説があります。阿川氏自体はかなり、保守的な人ですが、「暗い波濤」というのは、戦争の悲劇を余すところなく描きだしており、好きな小説です。そのなかで、軍艦が沈んだとき、御真影(天皇、皇后の写真)を退避させるため、それを背負って泳いで、その重さで、溺れて死んだ主計兵の話が出てくるのです。いまとなっては、「だったら、写真なんてすてればいいじゃん」と思うですが、当時は、それは命をかけて守る対象だったのです。

日の丸の話を聞くとどうしてもそれを思い出してしまいます。日の丸が大事だということが、強調されすぎると、日の丸よりも大事なのは人間の命なんだなんだということが、没却されそうでこわいのです。
民主党は、ぜひ、日の丸をつなぎあわせて、民主党マークを作った党員の人を機転の利く人として表彰してほしいのであります。でも、民主党マークと日の丸を2つあわせたマークではちょっと違いがあると思いますが・・・。