テキストの誤植


ようするに、権威ある参考書である、真島先生のわかる社労士で、大幅に誤植が見つかったということが読売新聞様で報道されている。
被保険者と保険者、雇用と解雇とかが間違っているようでは、受験生の頭はそうとうこんがらかるに違いない。迷惑な話。


こうやって新聞で報道されるとは信用が地に落ちるし、真島先生としても、版元である住宅新報社も大きな損害を被ったはず。
みっともないことだ。

まー、なんとなく新聞の行間からは、ちゃんとチェックせんかったからいかん。執筆者以外の専門家にちゃんとみせたんか。という論調。

しかし、内容のチェックと、誤植がないかのチェックは当然別にすべきでしょう。
どうもこの新聞記事を読むと、誤植がないかのチェックが足りない気がする。ようするに校正というのをちゃんとやらんとあかん。校正と中身のチェックは違う。

最近ちゃんとした校正ができてないのではないか。まー、パソコンで著者からデータをもらい、それをちょっと指定して印刷所に入稿する。チェックは、著者におまかせ。「だってデータでもらってるから誤植なんてでないでしょ」、という仕事の仕方だとそういう本ができるんだという見本のような話。

だったら出版社なんていらねーじゃねーかと思う。

昔は、どの出版社でも、どんな誤植でもみつける主的なひとがいてた。最近は、そういう人が減っているのだろう。だいたい、一字一字校正するなんて、そういうことをやってないのかもしれない。

しかし、たとえば、この手の教材本でも、当然、図表なんかは別にデータを作成しているわけだから、文字を別にうっていることが多い。だから図表ってどの本でもよく見ると誤植がある場合がある。

だいたい、著者だって変換ミスがあることが多い。それをちゃんと指摘しないといかん。用語について、かなりの知識を編集者としてはもっとかんといかん。解雇が雇用になっていて気付かなかったとすれば、編集者としては読んでないのといっしょ。

別にそれをすべての分野でやるわけではない。自分の担当している分野については、すくなくともよんでおかしいところは指摘できるようになりたい。

それ以前に今回の場合そもそも原稿とのつけあわせが、ちゃんとできてないような気がする。いくらなんでも、真島先生の原稿がそんなに間違っていたわけはないと思う。

17世紀のイギリスで聖書で誤植を出してしまい、投獄されて獄死した版元がいるという話を聞いたことがある。
本を出すというのはそれくらい実は恐ろしいことなのかもしれない。他山の石として心したいものでである。