切手本の話。

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先日は法律書だったので、今日は別の本の話。
いぜんなんかこの方の別の本を紹介したような記憶もあるが、内藤陽介先生の切手の本。その名も「年賀切手」。その年の切手のモデルみたいな話も紹介されていてそれも大変面白いのだが、私が関心をもっているのは、当然、ストライキなのである。昔の郵政省の労働組合である全逓は、古は戦闘的だったのである。
憲法判例集にも全逓東京中郵事件とか全逓名古屋中郵事件として名を残しているのである。
公務員の労働基本権の関係の判例である。

だいたい、昔は、3公社5現業というのがあって、その3公社5現業の労働者はスト権がなかったわけである。ねんのためにいっておくと国鉄電電公社、専売公社が三公社、国有林野、造幣、印刷、アルコール専売、郵政が5現業だったのである。

で、郵便の話。まー、要するに、郵便も合理化がどんどん進んで、それに反対する組合が78年にストに突入。79年の年賀郵便の配達が止まってしまうのである。

この本では、「2月上旬時点での通常郵便物の滞留数は百万通を超える事態となりました」と書かれているのである。百万通の郵便物が配達されずにストップしたわけである。結局、のちに大量の処分者が出され、2007年まで、裁判が続くことになる・・・。


いまとなっては、隔世の感があるのである。
いまや、別に、郵便も単なる民間会社になったのだから、ストなんかやりたい放題なはずだが、とんと聞かないのである。いろいろ世間から叩かれて、民間の方法を導入して合理化がどんどん進んでおり、社員は大変だと聞く。

まー、昔、切手を集めていたとか、郵便に関心があるという人には、ぜひ一読をおすすめするものである。