闇専従問題。

さいきん農林水産省で、職務に専念すべき職員の方が業務時間中に組合活動をもっぱらしている、いわゆる闇専従問題というのが持ち上がっているのである。

これについては、たしかに組合としては、ちゃんと専従として組合活動に従事してもらう(ようするに給料を組合で払う)というのが筋である。
ただ、農林水産省の幹部のほうも見て見ぬふりだったのは確かであろう。
まー。癒着の構造である。下手をすると、組合としては、「業務中に組合活動に専念することを組合の努力で認めさせた」と思っているわけである。
本質的な問題点はじつは2つ。人員にもともと余剰があり、だれかが組合活動で抜けても業務に直接的に支障がない点。もういっこは省の当局も組合側も、「税金から金が出ている」という意識がないこと。

実はでかい声ではいえないが、筆者も昔さる公益法人の組合の書記長をしていた。わたしはまだ真面目に仕事をしていたが、周りの公務員の組合の方など、完全に闇専従の人もいたのである。当時はそれが当然だと思っていた。自分もそうだった。

しかし、声を大にしていいたいのは、当時組合の活動をやっていたのは、自分たちの給料をあげるという目的もあったが、もっと大きい、世のため人のためという目的があった。いまは、まったく資本主義側に転向してしまったが・・・。仕事はしなかったが、そのぶん社会に貢献したということは自信をもっていえる。どんなことをやったかはまだ時効になっていないことがあるかもしれないのでここには書けないが・・。

反論をおそれずいえば、闇専従だって、社会のためになるのであればそれでいいと思う。

農林水産省の組合というと、全農林警職法事件(最大判昭48・4・25刑集27巻4号578頁)に名を残す栄えある全農林労働組合である。
闇専従だと批判されれば、「おれたちは、全労働者階級のたちばにたってやっているから仕事をするより世のため人のためになっているんだ」とちゃんと反論できるような組合活動であってほしいものである。