水戸黄門ファンド

ということで、今日は、株の話。株について興味のない人もわかりやすく書くのでよんでいただきたい。
職業がら、いろんなアナリストなる人にあうのであります。別に私は、アナリストでもなんでもないのですが、いろいろと話を聞いて感じたこと。
だいたいのアナリストが投資する株を決める基準を聞くと、「PBRが・・・」とか、「株価の動きが・・・で移動平均が・・・」など数字の話なのです。
ようするに、数字を見て、株価があがりそうな会社の株を買って、株価が下がりそうな会社の株を空売りしようという戦略なのです。おおまかにいうと・・・。
だから、いろいろ、みんな個別の会社の財務諸表とか、景気の動きがどうとかいうことには詳しいわけ。あたりまえだけど。
まー、ようするにちゃんとどっかで、財務分析とかポートフォリオ理論とか経済学について勉強をどっかでしているわけ。わたしはそういったことにはほぼ素人なので尊敬してしまいます。しかし、多くのアナリストは、法律の素人なのです。ここが実は盲点かもしれないことに今日気づいたのであります。

たとえば、いまって貸金業法がかわって貸金業界は大変なのです。でもこれって、何年も前から規制当局の政策の流れを見ていると予見できたはずです。だったら、もっと前に高い値段のうちに、消費者金融会社の株を空売りしておけばよかったわけです。
いまの建設不況だって、姉歯問題があって、建築確認がきびしくなった時点で予見できたはずです。

こういった株価に影響をあたえそうな、規制当局の動き等を予想される業界への影響を含めて情報提供するともうかるような気がしてきました。「法律が変わったよ」という情報を提供してくれる会社はあるのですが、その影響を分析している会社はあまりないような気がします。また、法律がかわる前に、役所でやってる審議会だとか研究会の動きを分析し、業界はこうかわるという情報をくれる会社はないわけです。これはたぶん儲かる。「リーガル情報ベンダー」と仮に名前をつけます。

あとは、それに関連して、個別の会社のコンプライアンス度を格付けするわけです。たとえば、コンプライアンス格付けがB-は「各種業法などに違反しているおそれがあり、行政処分の危険あり」といった情報を配信するわけです。その会社の株価は暴落するでしょう。たとい、業績がよくたって、コンプライアンス格付けは別です。いっときの、消費者金融会社みたいに業績はよくても、裏では・・・があるわけです。その前提として、その会社のコンプライアンス体制について、取材、ヒアリングをすることが必要です。みせられないという会社はよっぽど悪いことをしているだということで悪い勝手格付けをつけられてしまうかもしれません。「コンプライアンス格付け会社」と仮に名前を付けます。

いっそのこと、コンプライアンス格付けが高い会社の株を買って、コンプライアンス格付けが低い会社の株を売るというファンドが作れるかもしれません。
ようするに、規制をまもっているちゃんとした会社(時代劇でいうと水戸藩)の株を長期的に保有し、儲かっているけど、裏へまわって違法なことをやっている会社(水戸黄門ではようするに廻船問屋越後屋)の株を空売りしておくわけです。

名づけて水戸黄門ファンドといいます。短期的には水戸藩の株が下がり、廻船問屋越後屋の株が上昇してしまい損失を出すこともあるでしょう。しかし、いずれ、廻船問屋越後屋行政処分をくらい、営業停止とかになって暴落します。宣伝文句は「悪の栄えたためしなし」。


ベンダーと格付け、ファンドをやるにしても、ようするに法律をちゃんと分析し、あとは、ここの投資対象となる会社がそれをちゃんと守っていける体制があるかどうかということを見破る力が必要でしょう。
あんがい10年くらいたっても水戸藩の株は下がり続け、廻船問屋越後屋の株は上がり続けるということもあるかもしれません。その場合は「この社会に正義はなかった」とあきらめるしかないわけです。

論より証拠でいちど、財務諸表なんかみず、こういう観点だけで株を取引してみようかなと思っております。当然儲かったらこのブログではお知らせせず一人で儲け続けます。
(注)現在筆者が属している組織あるいは、過去に属した組織の見解と上記については一切合財なんの関係もありません。
本ブログは特定の銘柄について取引を推奨するものではありません。上記の見解にもとづいて読者の皆様が取引をやって、損失を出しても読者の皆様の自己責任であります。また、儲かった場合、ミラーのおかげではまったくありません。分け前をくれるといっても辞退します。