高窪教授事件

ということで、一昨日、中央大学理工学部で殺人事件があったわけ
です。
おなくなりになったのは高窪教授というかた。

商法を熱心に勉強するかたには、聞き覚えがあるかもしれませんが、
中央大学の商法の教授であった高窪利一先生のご子息だそうでありま
す。ご冥福をいのるとともに、一刻もはやい犯人逮捕を祈ります。警
視庁には中央大学OBで高窪利一先生の教えを受けたかたもおおいで
ありましょうから(警視庁にかぎらず、地方公務員の世界で中心となっ
ている職員が一番多いのは中央大学だと思います)、全力を注いでほし
いわけです(別にそれ以外の事件にも全力で望んでほしい)。

高窪利一先生といえば、有価証券の理論で結構すばらしい学説を提唱
されていたひとです。手形法で所有権説というのがあって、たとえば
盗難とかがあった場合も、手形という紙自体に所有権を観念して、
動産の即時取得という観点から議論を進めていた説だと思ったのであ
ります(再現不十分なので、理論的つっこみはしないでください)。結
構、銀行実務にも理解がある先生で、銀行研修社様から出ていた「銀
行員のための手形法・小切手法入門」的な本を読んで勉強したことが
あります(当然社会人になってからであります)。

それにしても、大学で殺人事件とはぶっそうです。昨日の話の続きで
すが、内ゲバ華やかなりしころは、結構学内で内ゲバがあったわけで
す。でも、私が入学した90年代には、大学で内ゲバ殺人なんてほと
んど記憶にないわけです(明治大学の○解派の分裂とか、国学院たまぷ
らのK○派くらいしか記憶にありません)。
思想的背景がない殺人は、広島大学で助手が学部長を・・・という事
件が確か80年代末に。あとは、筑波の五十嵐先生の事件とか、ここ
20年で考えても大学での殺人なんて稀も稀です。

当然、警備を強化しないといけないというのはあるかも知れませんが
かといって自由な学習、研究のためには、ある程度オープンにする
ことも必要です。

なんか、空港のゲートみたいにして、刃物とか銃、鉄パイプ、バール
などをもちこむのを規制して、でいりは自由というのはいかがでしょ
うか。