みなさまのNHK。

ということで、22日夜に「厚生次官を刺した」という男が警視庁本庁に出頭をしたのである。亡くなられた方の冥福を祈りつつ、けがをされた方の回復そして動機の解明のはやからんことを祈念するが、本日は、ジャーナリズム論的なことを考えたのである。
10時30分ころ、4チャンネルの「エンタの神様」なる娯楽番組をへろへろと視聴していたときにニュース速報が流れたのでそれを知ったのである。
すぐさまニュースをみようと思い、NHKにチャンネルをあわせたのである。なんやらニュースではない番組をやっていたのである。ニュースをやっているのは、6チャンネルだけであった。ゲストが佐々氏であったのでずっと見入っていたのであった。しかし、6チャンネル=TBSは民放であるので予定を超えてニュースを流すことは難しかろうと思いいたった。23時30分からは、小林アナウンサーがメインを務める料理番組があったはずである。やはり、ここはNHKであろう。と思い、23時にはNHKにチ
ャンネルを合わせたのである。私の期待としては、これだけ重大番組なのであるから、当然、NHKは報道特別番組を流すだろうという期待があったのである。公然と、我が国を代表する官僚OBおよびその家族が殺傷されるという法治国家としての危機なのである。その法治国家としての危機が解決されたのか、すなわち出頭してきたものが犯人なのか否か、ひょっとしたら複数犯であることがわかればそれをいち早く速報する必要もあるだろうし、なにせ、取り調べの現状を早く知らすことは国家の公益的見地から第
一義なのである。
電波というのは有限であるので、民放といえども上記のような公益的な見地にたち放送をしなければならないのは当然である。しかし、ただの株式会社である以上、ある程度視聴率を考えて放送せねばならないし、スポンサーとの関係もあって、ニュース特番を機動的に組成するのはなかなか難しい。そういったためにNHKがあるのである。公益的見地から報道を実行しなければならないのである。
放送法では「第七条 協会(筆者注=NHKのこと)は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び委託協会国際放送業務を行うことを目的とする。

と書いてあるのである。当然、私としては、今日11時過ぎからNHKが放送を予定している韓国ドラマは中止をして、報道特別番組が放送されるものと信じていたのである。それが公共の福祉というものである。

しかるに、11時13分くらいから突然韓国ドラマが放送されていたのであった。あー。
この瞬間私は「受信料など払うのはもうやめよう」。「会計学のD醐教授に頼んで、NHKをよくする市民運動の会に入れてもらおう」。「NHK交響楽団ではなくて、他のオーケストラを聴きにいこう」などと、NHK及びそのグループへの絶望と怒りが頭を支配したのであった。別に韓国ドラマに恨みはないが、どっちが大事なのか考えてほしかった。まあ、NHKも途中で改心して、さすがに23時30分くらいには、韓国ドラマを打ち切り、ニュースを流し始めたのである。

だったら最初からニュースにせんかいと思うのである。

TBSの番組で、「生番組の途中で、こういったことが起こるなんてついてるよ」と安住アナウンサーに対して、佐々氏がいったのが印象的であった。こういった大事件にたちあえるのは、報道冥利につきるというものであろう。
自分がNHKの報道担当者だったら、会長だろうが理事だろうが説き伏せて、ニュース番組をずっと続けただろうにと思ったのである。
NHKの存在意義を考えるきっかけとしたい。