公取人事の撤回事件。

公正取引委員会という組織がある。独立行政委員会として、独禁法
景表法などを所管している大事な官庁である。私が過去いたL社も大
変ご迷惑をおかけし、排除命令まで頂戴したことがある。
そこの委員は、国会の同意をえて任命される。
今回委員の人事案が閣議にて決定して、国会に同意を求め、採決され
る前に撤回されたという事件があった。
候補であった人=K元公取事務総長が弁護士でないのに、弁護士とい
う肩書を詐称したことがあったようである。弁護士+本名をなのった
のではなく、弁護士+ペーンネームだったらしいが、書いた人が弁護
士でない以上肩書き詐称といわれてもやむをえない。問題は、なぜそ
うなったかである。

まず、本人が「ペンネームだとばれんやんけ」と軽く考えてしまった
ことがひとつ。それいがいに、出版社、雑誌社のチェックの問題であ
る。どうやら問題の論文がのったは専門誌であるらしい。あまり報道されて
いないが、「○事○務」とか「○ュ○スト」などのような権威ある法
律雑誌ではなく、「国際商業」という雑誌である。そういった法律専
門でないところだから、よくわかっておらず、K=弁護士という錯誤
におちいった、そして、そのまま載せてしまったのかもしれない。た
だ、どうやら、雑誌に連載をしていたらしく、ちゃんと本人が確認を
して2回目以降は訂正すべきである。だいたい肩書きを確認するとい
うのは編集者のいろはで、いくら法律専門の雑誌でなかろうが恥ずべ
きである。
もっと問題はあるらしい。我が国の権威ある法律出版社である第一法
規が独禁法の本を出した。その編著者の一人が今回のK氏であった。
通常、本ができる前に出版社というは、B5一枚程度の申込書を兼ね
たちらしを配り買ってくれそうな先に配布をするものである。そのち
らしの中に、K氏を弁護士という肩書で紹介するものがあったらしい
。これは、ミスではすまない。だいたい弁護士というのは法律の専門
家なのだから、それが書いた本は法律的に正確性が高いと思われてい
る。そのちらしを見た人は、「あー。これは、弁護士が書いた法律的
に正確な本なのだな」と思い購入するのである。
そういったのを優良誤認というのではないか。
それとも「弁護士が書いたからといって著しく優良ではない」という
のが世間の常識なのか。
公取は自分ところのOBがらみだからといって、ほっとくのではなく
て、ちゃんと調査をしてほしい。
そうでないと、いままで公取に厳しい処分を科された業者としてはな
っとくがいかない。



参照条文

不当景品類及び不当表示防止法

(不当な表示の禁止)
第4条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次
の各号に掲げる表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に
対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違し
て当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優
良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害
するおそれがあると認められる表示
以下略