病院のたらいまわし。

おつかれさまです。
本日のニュースで東京で脳内出血を起こした妊婦の方が複数の病院で
受け入れ拒否にあい、お亡くなりになってしまったという報道があり
ました。
こういったニュースでそうなりがちなのは、「医者がちゃんと受け入
れんかい」という批判であります。
たしかにそういう側面はありますが、医者としては、今の体制で、リ
スクの高い患者は受け入れたくない、訴訟になったら大変だ、と思う
のも無理はありません。私も経験がありますが(刑事なのか民事なのか
はあえてここでは秘す)、訴訟ほどめんどいも
のはありません。

医者にリスクを負わせるのであれば、それをヘッジするために医療ミ
スに対する保険制度の整備ということが必要でしょう。

あと、医者に聞くと、医療の現実を知らない裁判官に裁かれるという
意味で訴訟というものに対する不安感が多いようです。そうしたらい
っそのこと、知財高裁みたいに、医療高裁を作って、そこには、医者
からも裁判官を選ぶとか、医療の実態を裁判所の判断に取り入れるこ
とも必要でしょう。

労働裁判に対する地労委―中労委みたいな、ADR的な制度をつくり訴訟
に前置するというのもいいかもしれません。

医学部の定員を増やすのも大事ですが、法律家のほうもやることはあ
るかもしれないと思う今日でした。