あー。信託法。

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最近本の話題が少ないというので、今日は本の話。
私としては、せめて一か月に一回はちゃんとした法律学の本をよもうと思っているのである。いつも法律本といえば、「はやわかり金商法」とか「これであなたも法人登記ができる」(タイトルは架空)みたいなノウハウ的な本ばっかりよんでいるので、やはり、原理原則から説き起こした本をどうしても読みたくなる。

そうはいいつつ、仕事といっさい関係ない本、たとえば、法哲学とかの関連の本は敷居がたかい。
そもそもそういう本は高いし、図書館にもあんまりおいてない・・・。
そこで、先日、自由が丘のブックオフ(超広い)で発見した、道垣内弘人先生の「信託法入門」をへろへろと読んだのである。新本屋で買わなかったことは先生に申し訳ないとおもうが、この不況で先立つものがないので許してほしいのである。

ちなみに、「どうがうち ひろと」先生とお読みするので間違えてはいけない。
もひとつちなみに、国際私法専門の道垣内正人先生という兄上がいらっしゃるのである。ときどき、「いやー。あの道垣内先生という方は、国際私法も民法も研究されている幅広い方ですね」などといっている人がいるのであるが、これは兄弟を混同しているのである。失礼なことなので正しい認識が必要である。

だいたい、日経文庫から出ているので、金融マン向けに、ごく、実利的なことが書いてあるかと思いきやそうではなく、ちゃんと原理原則から書いているのである。

そもそも信託というものの歴史から説き起こし(よく知らんかったが、なんでも中世のイギリスの封建領主が封建的義務を免れるためにできた契約らしい・・・)ているのである。
で、最後には、「信託とは何か、信託の本質はどこにあるのか」という根本的な問いかけの必要性を訴えておられるのである。たんなる条文をなぞった解説本とは大きな違いなのである。

こういう素晴らしい本を読むと、「法律学というのも結構楽しいな」と思うのである。

学生時代には到底そんなことには気づかず法学部学生でありながら、「法律=国家権力の支配の道具」的なパラダイムで、粉砕の対象としてとらえていたのである。
民法の財産法の答案で、書くことがなかったので、問題とは、一切関係ない地平で、「私有財産制度を廃止する」みたいなことを書いたのである。まー、それでもちゃんと4年で卒業できたのが奇跡のようなものであった。

話を戻すと、やっぱり月に一回はこういった「法律学の本」(「法律の本」ではない)を読みたいのである。

ということで、ブックオフに売ってるもの限定で、たまに紹介します。