偏見と闘う同志の皆様へ。

ということで、社会人の皆様で、資格試験の勉強をされている同志の
方が最近とみに増えているのである。すばらしいことである。しかし
そういった人の多くは、会社に内緒でとりくんでいるのである。
私も、残念ながらそうなのである。

最近、ある昔の同僚からメールが来て、こんなことが書いてあった。
「今、司法書士の資格を取ろうとして、ある予備校に仕事が終わって
から内緒で通っている。ある日、会社が終わってから、そのテキスト
を使い、復習をしていると、同僚に発見され、司法書士の勉強をして
いることが会社の中で公知の事実になってしまった。
 次の日から会社のなかで『あの人はかげで勉強して資格をとって独
立しようとしているらしい』と社内でうわさがたってとみんなから白
い目で見られている」
というのである。
私のような、周囲を気にしない人間だと、「それがどうかしたのか」
というところであるが、その以前の同僚は、総務部門に勤務し、仕事
を協調して進めるタイプなのである(要するに私と逆の仕事の進め方の
タイプ)。
しかし、これは周りのほうがおかしいのではないか。
サラリーマンの余暇の過ごしかたっていろいろである。
20台のわたしのようにひたすら飲酒の日々を送るものもあれば、ゴ
ルフにうつつを抜かすものもいる。でもそういった趣味をしていても
適度であれば、あまり、白い目で見られることはない(まー私のように
趣味の飲酒が度を超え、周囲に迷惑をかけると会社の中でも白い目で
見られることになる)。
でも、資格の勉強をすると「独立しようと思っているのではないか」
とか「資格をとってステップアップするということは今の仕事がいや
なのか」とか、いわれるのである(私も言われたことがある)。
しかし、家の帰ってから、資格の勉強をすることは、多くの場合、仕
事にもプラスになるはずである。法律や会計の知識をもっていて邪魔
になることはないはずである。
たとえ、それが、あまり仕事に関係しない資格たとえば、証券会社勤
務の人が気象予報士の資格をとるような場合であっても、すくなくと
も毎日酒を飲むよりはよっぽど健全な余暇の過ごし方である。
だいたい、ずっと会社にいるのが正しくて、なにかキャリアアップし
て独立することが組織への裏切りという価値観が終身雇用制を前提と
した価値観なのである。
自分の価値をたかめるために勉強する、けど、ある程度の期間しか会
社にいない人と、毎日のんだくれて、勉強しない、でも終身会社にい
る人をくらべると組織への貢献では後者のほうが低い場合も多いので
はないか。
ということで、社会人の皆様もどんどんと資格の勉強を公然としたい
ものである。