坂本哲志議員問題

昨日に続いて派遣村の話。
坂本哲志さんという衆議院議員がいるのである。
総務大臣政務官という我が国国政の枢要な地位を占める人なのである。
今般、派遣村について、「本当にまじめに働こうとしている人たちが
集まっているのかという気もした」「40年前の学生紛争の時に『学
内を開放しろ』『学長出てこい』(などと学生らが要求した)、そう
いう戦略のようなものが垣間見える気がした」
と発言をしたと新聞各紙が報じているのである。

だいたい、政治家というのは、市民を守るべき義務があるわけである。
市民が苦難に陥っているにもかかわらずそういったことをいうとは、
ほんとうにその人が政治家としての志をもっているか疑問なのである。
よく今回の事態は100年に一度といわれるのである。歴史を振り返
るべきなのである。
光明皇后は、8世紀に、悲田院、施薬院を設け貧民救済を行ったのこ
とで歴史に名を残している。
これくらいの、取り組みが必要なのである。
坂本某のいいたいこともわからないではない。なかには、「ただで飯
と宿ができて働かなくていいな」と思う人がいるかもしれないが、本
当に、まじめに働いていて、たまたま派遣先の都合で解雇されてしま
ったなど本当は働こうと思っている人が多いわけである。
また、戦略的、組織的なものを彼は感じているのだろうが、それはそ
のとおりである。しかし、私は、この派遣村というのを立案した人を
高く評価したい。それは、2点。1点は、「日比谷」という場所の問
題。山谷とか新宿中央公園ではなくて、千代田区のどまんなかでやっ
たことが成功である。2点目は政党色、組合色を排除している点。主
催が、全労連とか全労協であれば、どうしても、超党派的な取り組み
にはなりにくい。実際やっているひとがだれかは別として、そういっ
たカラーを出さないところが成功。たとえば、湯浅誠氏という方が派
遣村村長となっているのである。いろいろ書籍も書いている有名な人
である。ただ、特定の政党と深く結びついているということはないし、
昔の学生運動家なわけでもない(私の大学、学部の2、3年くらい上
の人だが、みたことのない顔なので学生運動あがりではないと確信で
きる)。彼は、別に政治的イデオロギーを超えて、社会正義の実現に向
けて立ち上がっているのである。私は心からそう思う。だからこそ、
共産党社民党、だけでなく、民主党新党大地も、それこそ、厚生
労働副大臣の大村議員も派遣村を訪れているのである。
慈悲の心をもった政治を望むものなのである。