サラリーマンの必要経費。

ということで年末です。年末といえば、年末調整。なんで、そんなもんがあるかというと源泉徴収という制度があるからです。

本来税金というのは、おおざっぱいにいうと、自分で、収入と費用から所得を計算し、税務署にいって、申告するのが原則なのです。自営業者のみなさんは、そうしているわけです。
しかし、多くのサラリーマンは、確定申告なんかしなくてよい、というかできない。
それは、会社が一括して税金を回収して、納めるという、源泉徴収制度があるからなのです。

多くの人は、国も税金のとりっぱぐれがないし、サラリーマンは税金計算する手間がはぶけるし。いいことずくめのようにも思えます。しかし、大きな問題があります。

それは、必要経費の計上の問題です。

山田パン屋と、佐藤パン屋という2店のパン屋があって売上がいっしょだとします。
しかし、山田パン屋は高級小麦粉を使っていて、佐藤パン屋は、普通の小麦粉を使っているとします。
当然山田屋の方が、経費がかかっているので、利益はすくなくなり、税金は少なくなります。

当然といえば当然です。

しかし、サラリーマンの場合、そうはなってはいない。
同期入社の新入社員の山田君と佐藤君がいて、2人が財務部に配属されたとします。
山田君は、財務部の仕事に生かそうと、夜、専門学校にかよって、財務諸表論の勉強をしています。金もかかります。
佐藤君は、己の即自的な欲望を満たすため、日々遊びくるっています。
給料が一緒だとすると、基本的に2人の税金の額はいっしょです(保険料控除とか、医療費控除とかがいっしょな条件だと仮定すると)。
さらに次のとしには、佐藤君が合コンの甲斐あり、己の獣欲を満たすためのみに結婚したような場合であっても、配偶者控除で税金が山田君より安くなってしまうかもしれません。

要するにわが国の税制は、勉強して、自らの労働力商品としての価値を高めようという人には、優しくない制度です。

源泉徴収なんかやめて、それこそビジネス書一冊から必要経費としてみとめる制度にしてはどうだろうか。
税理士はもうかるやろうけど・・・。税務署の事務負担は大変になるだろうな・・・。