あー。住民票。

私は、いまから17年前に行政書士の試験に合格している。別にそれ以来登録はしたことがないが、登録すると便利だなと思ったことがある。きっかけは住民票。

いま勤務している会社では、取締役や重要な使用人が変更されるたびに、住民票の写しを監督官庁に提出せねばならない。しかし、役員に「とりにいけ」といってもなかなか時間がない場合が多いし、揃うのに時間がかかるので、委任状を作って、それに本人に押印をしてもらい、区役所までとりにいくこともたまにあるのである。

めんどくさいときは郵送にしてしまうのだが、提出締切まで時間がないので、都内A区役所まで、とりに行くことに。当然、ちょうど4時30分ころ区役所につくように時間を設定し、住民票を受け取るやいなや、区役所の近所の有名な焼肉屋に食事にいくのであります。当然メインは、焼肉。なんだかんだと理由をつけて、3時過ぎには会社を出てしまいます。

無事A区役所到着。窓口の順番カードをとります。用紙に記入しつつ、待ち、番号が呼ばれたので窓口へ。
以下区役所の職員さんとのやりとりです。

職員さん 「住民票の写しですね。では、窓口に来られた人の本人確認書類をお願いします」
ミラー 「はい、保険証です」
職員さん「わかりました。あー。あと、この委任状では、本籍地の記載がないものしか交付できないけどいいですか」
ミラー 「いやー。でも、監督官庁の関東○○局には、本籍地入りのものを出さないといけないんですけど・・」
職員さん「でも、この委任状に、住民票の写しとだけ記載してあって、本籍地入りのものと書いてないんで、プライバシー保護の観点から交付できません」

まったく機械的な対応です。しかし、もう一度出直してくる時間もないので、説得に入ります。
ミラー「この本人は、当社の役員で、本籍は知ってるんですけど」(と、本籍地の記載があるいろいろな書類を見せる)
職員さん「ちょっと上司と相談します」

ということで多少貫禄のある上司が出てくる。
こちらは、縷々事情を説明。上司の方がいうには、「区役所から電話で本人に本籍地入りの住民票を交付してよいか確認する」ということになっていろいろ電話をしている。本人が外出してしまっていて、30分くらいロビーで待つ。あー。だいたい、電話に出た人が本人だとどうして確認できるのかと思う。


ようやく本人が電話に出たらしくめでたく住民票が交付。あー。こういった苦労をするのも、自分がただの民間人だからというのが大きい。

そもそも、弁護士、司法書士行政書士、税理士、社会保険労務士弁理士土地家屋調査士そして海事代理士が住民票等を役所で請求する時は、本人の委任状なんかなくても「職務上請求用紙」という特別の用紙があって、ばんばんと交付されるわけである。やっぱり資格者は便利だと思った。

ただ、ときどき、その用紙を探偵事務所に横流しして高く売り飛ばす資格者がいて問題になっているようである。

だいたい、関東○○局も住民票基本台帳ネットワークシステムにつながれば住民票なんて取りに行かなくてもいいのに、と毒づきながら焼肉を食べたミラーであった。