消えつつあるもの。

日弁連のホームページを見ると、弁護士の人数が載っている。
そのなかで、準会員というのと、沖縄特別会員という分類がある。
準会員というのは、全国で3名。沖縄特別会員といのは11名。準会員というのは外国の弁護士となる資格を有し、かつ、日本国の法律について相当の知識を有する者で最高裁判所の承認を受けた外国人弁護士であるらし。1955年まではそういった外国人弁護士の制度があったが、1955年に廃止された。いまでいう外国法事務弁護士みたいな制度だったのだろう。しかし、1955年にこの外国人弁護士の制度は廃止されてしまった。この時点で最高裁の承認を受けていた外国人弁護士はその後の弁護士会の準会員として弁護士業務を行えるようにしたようである。日本が占領されていたときに、弁護士もやってきて、日本で仕事をしていたというなごりの制度だと思う。
沖縄弁護士も占領と関係している。ようするにアメリカ統治時代に、日本の弁護士制度とは別に琉球政府として試験を行い弁護士資格を出していた。1972年に沖縄が日本に返還されるとき、そのまま、琉球政府に認められた弁護士を日本の弁護士にしようかどうかいろいろ議論があったと思う。しかし、どうも試験が日本の試験とはレベルが違うものであったらしい。ということで、琉球政府の弁護士であったものは、沖縄弁護士として、原則として沖縄県だけで仕事をしてねという制度になったらしい。
準会員制度は、もし1955年当時、弁護士になりたて、たとえば25歳だったとしても、現在78歳。
沖縄弁護士も1972年当時25歳だったとしても(もっと若い人がいたかもしれないが)61歳。実際はもっと年長の人が多かったので、この10年くらいでほぼ消滅してしまう制度である。

「昭和は遠くなりにけり」というのは、資格の世界でもそうなのであろう。